第7回高校生直木賞、受賞作決定!

 短い夏休みでしたが、どのように過ごしましたか? 夏休み貸出の本は読めたでしょうか? もし読み終わっていなくても、返却期限(8月26日)までに返してください。続けて読みたい場合は、もう一度貸出の手続きをしてくださいね。 さて、2学期最初の話題は、昨日決定した高校生直木賞についてです。 今回の受賞作は・・・・・・

 大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』文藝春秋,2019、に決まりました。[913オ]の棚にあります。今日からしばらくの間は、図書カウンターに置きますので、手に取ってみてくださいね!

 この小説は、江戸時代の大阪を舞台に、浄瑠璃の作者・近松半二の生涯を描いています。”近松”と聞いて皆さんが思い浮かべるのは、”近松門左衛門”でしょうか?でも、近松の血縁ではありません。近松に心酔していた父親と、幼い頃から芝居小屋に入り浸っていた半二(本名:穂積成章)は、長じて自ら浄瑠璃を書く道に進みます。父親から近松の硯を譲り受け、近松半二と名乗ることにしたのですが、詳しくは読んでみてください。

 近松半二は修業の後、竹本座の中心的な作者となり、書名にある「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」「新版歌祭文」などの名作を書きました。歌舞伎にお客を取られつつも、なんとかして浄瑠璃を盛り立てていこうと苦悩する様子や、創作の喜び、芸能の世界をもがきながら泳ぎつつも、生き生きと描かれる半二から目が離せません。

 私は、隙間時間で読書することが多いので、この本を読むのは難航しました。なぜなら、江戸時代の大阪に入り込むのに時間がかかったためです。でもいったん入り込むと抜け出せなくなってしまうので困りました。私にとっては、パッと入って、パッと抜けられる本ではなかったので、まとまった時間で読めたら幸せだったなぁ・・・と。

 今回の候補作品は、この他に4作品・・・朝倉かすみ『平場の月』/小川哲『嘘と正典』/川越宗一『熱源』/窪美澄『トリニティ』でした。

 本校の高校生たちなら、どの本を直木賞に推薦したかな・・・?

 高校生直木賞は、全国の高校生が学校単位で参加することができます。参加者は候補作品5作をすべて読み、学校としての推薦本を決め、年に1度、文藝春秋社で開催される選考会に集まります。そこで、高校生同士、議論し、高校生の視点で「今年の一作」を決定するというものです。今年は新型コロナの影響でオンライン開催となりました。興味のある人は、ホームページをチェックしてみてくださいね!(http://koukouseinaoki.com/)