図書館四方山話その15

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか? 手元に紙の書籍が無くても、先日お知らせしたネット上で無料で読める本などを活用して、読書を続けてくれていると思います。私も読み続けていますよ~。早く皆さんと本の話がしたいなぁ・・・。今日は、最近観た映画―テレビで録画していたものですーの話題を少し。原作は書籍で、学校図書館にもあります。2作品紹介しますね!まずは・・・・・・

 『日日是好日』です。原作は、『日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ』791モ(森下典子/著、新潮文庫、2008)で、“にちにちこれこうじつ”と振り仮名が振ってありますが、辞書によると“にちにちこれこうにち”とも読むようです。意味は、「毎日毎日が安楽なよい日であること。苦しいときは苦しいなりに、悲しいときは悲しいなりに、精いっぱいに努力して毎日を送ることの大切さをいったことば」と、説明されています。(『成語林 故事ことわざ慣用句』より)

 この本には、著者が大学生の頃ちょっとしたきっかけで通い始めた茶道教室での25年間の日々が描かれています。人生で出会う楽しいこと、うれしいこと、つらい体験、悲しいできごと・・・様々な心の波立ちや暮らしの変化の中でも、一貫して変わらず続けたお茶のお稽古。行き詰って気持ちのやり場がなくなってしまった時も、お茶の世界に身を置いて、違う角度から眺めてみることで、静かに自分の心と向き合っていく・・・お茶に限らず、何か別の世界を持っている人は強く生きられるのかなと思います。そして、お茶の先生のような、“人”の存在。映画では、樹木希林さんが演じていますが、只者ではありません。こんな人が、つかず離れず、ずっとそばにいてくれたらいいのに、と、きっと皆さんも思うはず。映画の中で、先生は「私、最近思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって。」と言います。毎年と同じことができなくなっているこのご時世、特に身に沁みます。他にも紹介したいポイントはいろいろあるのですが、このあたりでやめておきます。機会があればぜひ映画を観てください。そして、学校図書館にある原作も読んでみてほしいです。

 もう一つ紹介したいのは、「若おかみは小学生!」です。原作は、講談社青い鳥文庫で2003年に第1巻が刊行されてから約10年にわたり20巻まで出たシリーズもの。スペシャル短編集も3冊あります。小学生の頃から知っているよ~という人も多いでしょう。著者は、令丈ヒロ子さん。皆さんからのリクエストで全巻そろっていますよ!テレビで連続アニメも放送されたようですが、今回私が観たのは映画版です。子ども向けのアニメだけれど、一応観ておこうかなと何気なく観始めたのですが、あっという間に惹きこまれ、すっかりその世界に入り込み、最後には号泣しておりました。構成も脚本も素晴らしくて、作画も見事で、声優も・・・なーんていうことは専門の批評家におまかせするとして、とにかく、年齢を問わずみんなにおすすめしたくなりました。ぜひぜひごらんください!!