図書館四方山話その19

 新しい年を迎え、3学期が始まりましたね。外出を控え、静かなお正月を過ごした人が多かったことでしょう。その分、読書タイムもたくさんとれたかな?私(司書)が冬休みに読んだ本は、・・・・・・

◆『サラと魔女とハーブの庭』[913ナ] 七月隆文/著
 主人公は13歳の少女、由花。中学校になじめず、不登校になり、まだ春休みが始まっていないうちから、田舎で薬草店を営む祖母の家でお世話になりに行くところから物語が始まります。由花にはサラという友達がいますが、他の人には見えません。初めて出会ったのは祖母の店でした。成長するにつれだんだん姿を現さなくなったサラに会いたい、祖母のところへ行けば会えるのでは?・・・梨木香歩『西の魔女が死んだ』[913ナ]を読んだことのある人は、なんとなく舞台設定が似ていると感じるかもしれません。こちらもおすすめです。

◆『口福のレシピ』[913ハ] 原田ひ香/著
 江戸時代から続く古い家柄で、老舗料理学校を経営している家の娘、留希子は、後継者として敷かれたレールに乗せられることに反発し、家を出て就職します。でも料理することは好きで、忙しい女性を助ける簡単で美味しくできるレシピをSNSで発信していました。ところが、あるレシピをめぐり問題が起きます。留希子にとっては子どもの頃から馴染みのある家庭料理だったのですが・・・・・・。現代の留希子と、昭和2年に女中奉公していたしずえの物語が交互に描かれていますが、読み難いことはなく、次第に解き明かされる家族の歴史に引き込まれていきます。

◆『スパイの妻』[913ユ] 行成薫/著 
 第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞作品の小説版です。太平洋戦争前夜の神戸が舞台ですが、小説は2020年の夏から始まります。年老いた八重子が老人用賃貸マンションに引っ越すことを決め、自宅を手放すための整理をしていたところ、古いフィルムが見つかります。そこには、「1940年 スパイの妻」という文字が書かれていました。フィルムに映っていたのは、八重子の母、聡子でした。時はさかのぼり、激動の時代、混沌する運命に翻弄される聡子と夫の優作の姿を描きます。私は映画は観ていないのですが、主演が高橋一生さんと蒼井優さんと知り、脳内映画館開幕状態でした。

◆『類』[913ア] 朝井まかて/著
 「類」とは、文豪・森鷗外の息子の名前です。類は、優しい父と美しい母、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で裕福な暮らしをしていました。先妻の息子である兄がいますが、親しく交流はしていません。大正11年に父が亡くなると、森家の生活は一変します。学業に身が入らなかった類は、画家を志すのですが・・・・・・。実は、この本はまだ読み途中です。明治、大正、昭和、(平成もかな?)と時代の波に大きく揺さぶられながら、どう生きていくのかを模索し続けた類の生涯が描かれています。なかなかの長編です。本を持つ手にずしりときますね~。読み応え満点です。

◆『今はちょっと、ついてないだけ』[913イ] 伊吹有喜/著
 バブルの頃(生徒の皆さんは知らないかな?)ネイチャリング・フォトグラファーという肩書きでアラスカやアマゾンなどを探検するテレビシリーズに出演していた立花浩樹は、所属事務所の多額の借金を背負うはめに陥り、表舞台から姿を消します。40代になり借金は返済し終わったものの、これからの人生をどう生きていったものかと考えていたところ、写真の撮影を頼まれます。やはりカメラとともに生きるのか・・・そんな浩樹の周りに集まってきた人々のオムニバス形式で語られる物語です。これもまだ読み途中ですが、おもしろいですよ~。

 まだまだ読みたい本がたくさんあります。また読んだら紹介しますね!